12月10日(木)

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 今朝は8時過ぎまで目覚めずに眠った。おかげで体調は絶好調。空き時間もたくさんあり、ウラノメトリアの作業が進んだ。今日はtechniqueページの「半音階」と「声部の分離1(反復保持音)」を書き上げ、「遠い国で」の余白に和声学の「ラメント・バス」の項目を加えた。
 半音階の運指には2種類の基本運指があるが、ウラノメトリアでは黒鍵の全てに3指を用いるタイプを基本運指としている。そのほかにレガートに弾くための運指と、特定の曲に最適化された運指の3つについて譜例と解説を付した。最適化された運指の例として「幻想即興曲」を取り上げたが、それは私自身が少年時代に初めて幻想即興曲の楽譜を見た時に感激したからにほかならない。そのメソードレベルの譜例をという考え方もあるが、譜例は弾くわけではないので、ワクワクするほうがずっと効果的だと考えている。
 「声部の分離」は、今回が第1回。声部の分離を知らなければ作曲者の意図と全く異なる解釈をして「変な曲」であると勘違いしたりする。バイエル56番は大変な名曲だが、反復保持音に対する理解が足りなければ実際には2声部あるのに、それを分離できず音楽が成立しない。4巻以降、音程による分離、強弱による分離が続く。
 ラメント・バスは半音下降していき属音から主音に戻る低音進行を指す。スターバト・マーテルやレクイエムなどに用いられることが多いために「悲しみのバス」という名称になったのだろう。