1月29日(金)

50923

 つい先ほど、3月7日に演奏される予定の「Aria for Fagotto and Piano」(1976/2010)を脱稿。予定よりも1ヶ月も多くすったもんだしてしまった。フルート版が34年前の姿を、ほぼそのまま保っているのに対して、こちらは趣の異なる曲となった。
 日曜日までには、超絶技巧ピアニカアンサンブルのためのガーシュインの「3つの前奏曲」も脱稿する見込み。来週はウラノメトリアに専念。3巻アルファを集中的にやるべきなのだろうが、子どもウラノメトリア2巻アルファのアイディアがいくつも押し寄せていて、その誘惑を絶ちがたい。
 今日、父の用事で外に出た際、スーパーの古書市で明治・大正時代の鉄道写真集を見つけて買って帰った。父に見せると、感激しきり。
「これは凄いぞ」を繰り返す。
 何が凄いのかとたずねると、父は「親爺から豆相(ずそう)人車鉄道に乗った時の話を聞いたことがあるんだが、ここにその写真が載っているじゃないか」
 よく見ると、その鉄道は小さな客車を人が手で押して走らせている。馬車鉄道の写真は見たことがあるが、人車鉄道は初めてかも知れない。小田原-熱海間という長距離を運行していたというから、ここで働く人々の苦労はどのようなものであったろうか。
 私の祖父は、登り坂にさしかかった時には客車を降りて一緒に車両を押したと話していたそうだ。なんと、芥川龍之介の有名な短編「トロッコ」は、豆相鉄道の改軌工事(610mmから762mmへ)の時の様子が描かれているとのことだ。
 ほかにも、父が若い時に乗ったり見たりしたことがある古い鉄道写真があるということで、一日、写真集を眺めていたようだ。

関連サイトを見つけたのでリンクしておく。

豆相人車鉄道
http://www.kk-net.com/~tabuchi/ZUSO.htm