1月30日(土)

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 午前中に昨夜仕上げた楽譜の浄書をチェックしてPDFファイルで送付。
 それから、父の用事で図書館に。その時、以前から見知っていた「図説 ベートーヴェン」(青木やよひ編著/河出書房新社)という小冊子くらいの蔵書を、単なる気まぐれから手に取ってびっくり。初心者用の入門書ではないかと勝手に思い込んでいたのだが、数ページ読んだだけで深く研究された優れた評伝であることが伝わってきた。
 まさに迂闊とはこのことだ。そもそも評伝は人生を時系列順に再構成したものではない。一人の人間に起こる様々なできごとの中から重要な要素を関係づけていく作業である。
 本当は、私がどんな書籍を読んでいるかなどということは口外すべきではない。それは誰にも追いつかれないためのとっておきの秘密にしておかなければならないのだが、優れた判断力、思想、分析力に出会うとついつい秘密を漏らしてしまう。
 しかし、真実を記した言葉でも、読み解く側しだいで役に立ったり立たなかったりするものだ。次の例は、どうだろうか?

明日死ぬと思って生きなさい。
永遠に生きると思って学びなさい。
マハトマ・ガンジー

本当に理解しなければ、これを実行するのは難しい。ちなみに、私は実行することが可能であるとさえ思っていない。無理。
では、2例目。

宇宙船地球号には乗客はいない。いるのは乗組員だけ。
マーシャル・マクルーハン

2例目は少々ウロ覚えのところがあるので、言い回しは多少違っているかも知れないが、大筋では間違っていないと思う。あなたは乗組員だろうか? ちなみに、私は「お荷物」だ。

 昼からカミさんとともに母の病室へ。
 いつも見舞い客で賑わっているが、母が疲れないか少々心配。毎日のように身の回りの世話をしてくれる板橋の叔母には深く感謝。新しい病室は西向きなので陽射しが眩しい。カーテンを二重に閉めて遮光する。
 スカイツリーの右側、遠くに見える観覧車はパレットタウンではないかなどと、どうでもよいことを考えたりしながら過ごす。

 帰宅してメールをチェックすると、はるよ先生の指導するコーラス部が、今日開かれた「埼玉県ヴォーカルアンサンブルコンクール」で金賞を受賞したという知らせ。なんとよい知らせだ。彼女の素晴らしい音楽力と指導力のたまもの。
 それから大導寺錬太郎さんのステージのお知らせが届いた。これは、後ほど作曲工房HPのお知らせ掲示板で告知しなければ。さらに、蕨市民オペラに出演する知りあいから、まさにシンクロニシティな話題を告げるメールが届いた。それから4月に近江楽堂で開かれる語りライブのBGM追加曲についての依頼も届いた。
 ひとつひとつ整理しないときちんと返信できない。
 ところが、今は気持ちがザワザワしていて集中力に欠けている。だから、こんな日記を書いて弱音を吐いてバランスをとっているのに違いない。
 さあ、グニャグニャ言う暇があったらガーシュインの続きにとりかかるべきだろう。