6月13日(日)はやぶさ帰還

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 つい先ほど、22時52分頃にUSTREAMのウーメラ砂漠からの「はやぶさ帰還」中継で、はやぶさ本体が流れ星となって燃え尽きるところを見てしまった。
 ふう。
 
 今日は“ちびまゆ”のレッスン。ピアノを弾く前に、ダリのさまざまなポートレイトを見比べた。私自身は「ダリ・アトミクス」が最も印象深いが、「記憶の固執」の柔らかい時計に自らの顔を置き換えたり、香水の瓶に目鼻がついていたり、眼帯にサイバネティクスっぽい目を書き込んだり、モナリザの顔を描きかえたり、トレードマークのヒゲをワックスで固めてエビの触角のようにしたり、ダリの「イメージの奔流」は留まる気配がない。
 ダリ・アトミクスの中には「レダ・アトミカ」という絵が置いてあるのだが、完成に至るまでの数多くの失敗作では妻のガラが見えているのに、完成版だけはガラが水しぶきに隠れている。ダリとガラとの奇妙な関係を考えると、非常に象徴的な偶然なのではないだろうか。

 レッスンはクーラウのソナチネ ハ長調 作品55-1 第2楽章。小ロンド形式
 ペリオーデ終端部のアウフタクトから開始する曲なので微妙なリタルダンドがあるはずだが、16分音符2つではほとんど分からない。それよりも連続する2つの8分音符の最初の重音にわずかなアクセントをつけて拍子感を明確にするほうが重要。3-4小節目(通常、アウフタクトは小節数に数えない)の連続する重音はリタルダンドしながらディミヌエンドしてペリオーデを閉じる。ここまでの4小節だけで、いわゆる“棒弾き演奏”を圧倒することができるだろう。というより圧倒しなければ意味がない。などと細かく書いていくとキリがないのであとは省略。ひとつだけつけ加えるなら、A-B-A-C-AのCの始まりは同音レガート。“ちびまゆ”は、こういうテクニックをすぐに覚えてしまう不思議ちゃんだ。
 
 4手ソナタの2台ピアノ版第2楽章は、すでに完成しているのだが、コーダ部分に引っ掛かるものがあって、未だに脱稿していない。決定稿というものは、全ての音がきっちりと当てはまるものなのだ。少しでも不安があったら怖くてステージには載せられない。先に第1・第3楽章を進めているが、こちらにもまだ見えない部分がある。

 国立新美術館で開かれている「オルセー美術館展」にはぜひ行きたいが、時間がまるで取れず、予定が立たない。