10月31日(日)M3 2010秋

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 大田区平和島にある「東京流通センター」で開かれた「M3 2010秋」という自主制作のCD/DVD/楽譜などの販売会に参加。今年も貴重な出会いがあった。販売側に立つ若者たちは、みな頑張っている。頑張っていなければ自主制作などできるはずがない。社会がこういう若者たちに正当な評価を与えていないのではないか。たとえば、大きなニュースがなかった時、NHKなどでは本当にどうでもよいようなありきたりな街のイベント(たいてい「〜の行事にお年寄りたちも喜んでいました」というような)を伝えて時間を稼いでいるが、寝る間も惜しんで音楽制作に励んで、このようなイベントに集まる若者たちの存在を伝えてもよいのではないか。なにかと批判の対象になる若者だが、統計では若者の凶悪犯罪が減り続けているのに一般には「増えている」と思われているのは報道にもその責任の一部があることだろう。
 M3に集う若者たちは、驚くほど礼儀正しく紳士的だ。多くの人で賑わうイベントなのに、いまだにトラブルひとつ見かけたことがない。
 
 数日前にも書いたが、この10日、よくぞ身体が持ちこたえたものだ。10日前のレクチャーコンサートでは、前日のリハーサル後に体調を崩して本番ステージが危ぶまれるほどだったが、なんとか回復して無事本番を終えた。
 24日(日)には神戸で三枝君がコンサートをこなしてきた。私は行けなかったが(レッスンの一日)、参加した人たちのブログを読むと大盛況だったようだ。いま、三枝君には追い風が吹いている。こういう時には突っ走っていい。周囲の我々も積極的にバックアップに回るべきだ。
 25日(月)には、とても嬉しい仕事の依頼があった。来年、全プログラムが野村茎一という室内楽コンサートが開かれる。新曲を2曲書き起こす予定。興奮して夜更かし。
 26日(火)は京都の森田ピアノ工房訪問。疲れ過ぎていた私は寝坊して、予約していた新幹線に乗り遅れてしまったが、すばらしいヴィンテージ・グロトリアンを弾かせていただき、森田裕之さんが全く衰えをみせずに現役最前線におられることを確認して嬉しくなった。娘の“たろ”が浪人生でなければ、手に入れたいピアノだった。
 27日(水)は父の付き添いで定期通院とウィリアム・モリス展に行った。
 28日(木)は29日のピアノレスナー講座の準備に追われて一日を終え、翌29日は本番。優秀な先生がたを前にお話しさせていただき、こちらも勉強になった。
 29日(土)は、準備が難しかったレッスン。たぶん伝わったと思うが、こちらもまだ勉強中なので大きなことは言えない。
 そして今日のM3。朝、会場に向かう電車の中でメールが着信。広島で開かれるピアノの発表会で、ウラノメトリアの「遠い昔」など計3曲が演奏されるというもの。私が知る限りでは「遠い昔」は初演になるのかも知れない。嬉しい知らせだ。

 イベントラッシュも今日で一区切り。明日からはまた五線紙に向かう毎日となる。いま書いている「フルートとピアノのための○○(タイトル未定)」は、2000年のアルトサックスソナタの第3楽章の書き直しだが、これがとても面白い曲に仕上がりそうだ。今日もこれから、帰りの電車の中で思いついたアイディアを試してみるつもり。