3月5日(土)

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 今日はウラノメトリアのAppendixの作曲が面白くて止まらなくなってしまった。この一ヵ月くらいの間、アイディア不足で悶々としていたのだが、自分でも知らないうちにアイディアを蓄えていたのだということにしておきたい。
 こども2αでは、ウラノメトリア史上初めて、作業の進行が予想よりも早まるかも知れない。
 
 話題は変わるけれども、私が欲しい物の多くは “道具” である。
 機械は人の代わりに作業をしてくれるもので、もちろん、機械との付きあい方によってはこちらのスキルが上がる可能性もあるが、道具は、使い手次第である。
 鑿(のみ)と槌(つち)が仏師の運慶を育てたように、楽器は演奏家を育てる。
 カメラが機械であるか道具であるかの判断は難しいのだが(監視カメラは機械、持ち歩けば道具か?)、カメラは我々に写真のスキルを与えてくれるばかりか、視点を与えてくれる。
 フジフィルムの新機種「FinePix X100」(3月5日発売予定)は、久々に見る道具的なカメラだ。実売価格で12万程度になるようだから私に縁はなさそうだが、銀塩写真時代のコンパクトカメラそっくりの外見に、ダイヤル式のつまみによる露出やシャッター速度の決定など、マニュアル操作が自在にできるところが素晴らしい(もちろんオート撮影もできる)。
 道具を役立てる条件はただひとつ。徹底的に使い込むことで、そのためには自分の人生の時間の多くを割り当てなければならない。だから、多くの趣味を持つとどれも中途半端になる。もし、使い込むだけの志と覚悟があれば、一生の間に誰よりも多く、周囲の姿を詳しく知ることになるだろう。これはすごいことなのだが、それを知っているのはファインダー越しに全てを真剣に見つめた人だけ。だから、そういう人と話すと人生の視力の良さのようなものを感じる。
 作曲していても、誰かからそのように言われるようでなければ本物ではないかも知れない。自戒。

FinePixX100(FUJIFILM)の紹介動画