3月6日(日)

130013

 偶然とはいえ、アクセスカウンタなんというノリのよい数字なのだろうか。
 定期便にも書いたが、「エリダヌス」(ウラノメトリア5α:未刊)の13拍子は今までに書いた曲の中でもっともドライブ感あふれる拍子だと思う。私の13好きは、決して天の邪鬼なのではない。なぜなら13日の金曜日は嫌いだからだ。その理由は「13日の金曜日を忌み嫌う人たちがいつもとは異なる行動をとる可能性がある」から。
 
 今日は「旧2β」から「こども2α」へ曲の移植を行なった。その結果、Appendix3から5になった「2音のフレーズ」練習曲がさらに後ろの番号に移動する気配が濃厚になった。
 ウラノメトリア6巻は「ツェルニー40番」レベルになってしまうので、あまり売れないと思うのだが、やはりウラノメトリアの頂点をなす曲集となるだろう。このレベルが弾ける人にとっては面白いと思ってもらえるに違いない。「こども2α」が終わったら「新2β」「4α」「4β」だ。欲を言えば2台ピアノの曲を集めて「4γ」も作りたい(ただし、曲のストックがないから新作を作るのに時間がかかるだろう)。

 父、モリアキ翁が食事の後にお腹をポンとたたいて「ぼくはね、人生の中で今が一番目方があるんだよ」と言った。体重ではなく「めかた」というところがいい(しかしカメラを写真機とは言わない)。
 一年前に比べると、いくぶん姿勢が前かがみになったような気はするものの、本人は「まだまだ死ぬ気はしないね」と言い放つ。とにかく本人の言葉に安心することなく、周囲が油断せずにモリアキ翁を見守ればまだまだ元気で過ごしてくれることだろう。
 
 久しぶりに、作曲家の神津善行さんがプロデュースしたCD「六華仙」から「トルコ行進曲」を聴いた。中間部でモーツァルトの旋律がアラビア音階で奏でられるところは鳥肌ものの素晴らしさだ。民族楽器を操る六華仙のメンバーの演奏技術の高さも凄い。
 昔読んだ、長女で作家の神津十月(かんな)さんのエッセイに「神津家は収入が決して少なかったわけではないだろうと思われるのに長年借家暮らしだった」というようなことが書かれていた。神津善行さんと仲村メイコさん夫妻は稼ぎを子どもたちに先行投資をしたのだ、とカンナさんは書いていた。その結果、カンナさんは作家に、妹の葉月さんは女優に、息子の善之介さんはスペインを拠点に活躍する画家になった。
 こんなことを思い出したのは、前阿久根市長の竹原信一さんが「若者が学歴を求めるのは“生産性の高い人間になるためではなく、楽で楽しい人生を手に入れるため”に」と書いていたことと関係があるだろう。若者と書いているが、実は実態は親の方だったりするかも知れない。
 竹原伸一氏の主張には賛否両論あると思うが、少なくとも神津家の子どもたちは苦労を厭わない人にしか就くことのできない職業を選択した。勤め人が楽だとは言わない。むしろ、現在では最も厳しい職業のひとつかも知れない。しかし、わざわざ苦労を求めて就職した人は少数派なのではないだろうか。
 そのようなわけで、カンナさんのエッセイを読んだ時には神津家の教育にとても興味を持ったものだ。
 しかし自分の子どもとなると、まるで思うようにはならないものだ。子どもは親のロボットではないのだから当然だが、なにかしら良い影響は与えたいと願うくらいはいいだろう。
 本当の答えは、子どもたちが人生を終える頃に出る。