3月15日(火)原子力時代の終焉

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 福島第一原発で、午前6時台に2号炉と4号炉が続けて小規模な爆発を起こし、2号炉は圧力抑制室に損傷と推測され、4号炉は使用済み燃料を保管するプールの建屋に2つの穴が開いた。
 自衛隊には原子力艦艇がないため、核事故に対する訓練は不足しており、このような重大な事態には対処できない可能性がある。そのため、米軍の専門家の力を借りているという憶測もネット上でみかけた。ひょっとしたら憶測ではないのかも、とさえ思った(今のところ、確かめる術がない)。
 今回の核事故の現場で誰が実際の指揮を執っているのか、というような情報がまるで上がってこない。これは妙ではないか。こんな現場で陣頭指揮を執っている人はヒーローとして有名になるはずだ。そのようなわけで、米軍専門家説を憶測ではないかも知れないと考えた(こちらは本当に憶測)。
 今日は計画停電が予告されていたが、隣の戸田市では停電したという知らせを受けたものの、作曲工房周辺は停電しなかった。おそらく明日は逆にここが停電するのだろう(朝6時過ぎから10時頃まで)。電力の逼迫状況によっては午後にも停電する可能性がある。
 夜10時33分頃、静岡県富士宮市震度6強の揺れとなったM6.0の地震があった。日本中の多くの人が「浜岡原発は大丈夫か?」と思ったかも知れない。もし、そうならば日本における原発の歴史は遠からず終焉することだろう。なぜなら、原発新設を受け入れる自治体がなくなるからだ。
 今回の事故を受けて、EUは安全対策を見直すことために緊急会議を開催。ドイツのシュピーゲル紙も「原子力時代の終焉」という記事を載せている。竜巻が多発するアメリカでも安全基準は大丈夫かという声が上がっているという。
 核事故レベルもスリーマイル島事故の5とチェルノブイリの7の中間の6と評価された。
 関西電力社長は、浜岡原発は充分な耐震性を考えて建設しているので大丈夫という談話を発表したが、今、そのような話を信じる日本人はごく少数だろう。それより、関電社長が、国民のだれよりも原発について自分のほうが詳しいと思っている(つまり、逆に、社長は専門家の説明を丸のみしているだけの無知な輩なのではないか)と感じさせただけだろう。
 関電社長の談話は日本人に、原発の更なる恐怖を与えるという点では成功したと思う。東海地震が現実味を増した今、なお原発固執しようとする電力会社社長が存在することを明言したということは、原発反対派にとっては強力なアシストとなったに違いない。
 原発反対派も原発に反対するだけではなく、必要以上に明るい照明の規制、在宅勤務推進による鉄道一編成あたりの車両削減(これなら本数は減らないのに消費電力は減る)、妥当な電力料金の値上げ(電力会社は減益を避けることができ、電機メーカーは省エネ技術が進んで、結局消費者も電力料金が高くならない可能性が高まる)、個別発電の推進(送電ロスを減らすことができる)を進めていくというのはどうだろうか。
 LED照明は、少なくとも我が家では電気料金削減に有意に貢献している(白熱電球から一気にLEDに替えたため)。夏にはエアコン室外機への打ち水や、ドライミスト冷房を取り入れればソーラーパネルだけで電力を賄えるかも知れない。エアコン室外機も吸気側にドライミストを当ててやれば熱交換器が冷えて、ある程度節電になりそうな気がするが、これはデータを探してみないと分からない。

 今日は、地震以来久しぶりのインスピレーションがやってきた。明日はどのような楽譜を書くかというイメージが出来上がっている。しかし、それでもワクワクする気持ちにはならない。
 今の日本は不安すぎる。



 大野更紗さんの「困ってる人」第14回「わたし、書類です」更新。
 どんな困難にも果敢に挑む彼女の文章を読むと元気が出る。
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