3月29日(月)

135935

 2日続けて就寝が明け方4時近くになってしまったので、今日はなんとしても2時には眠りたい。
 ウラノメトリアこども2αの全曲が揃った。後は版下のミスをチェックするだけ。便宜上「こども2α」と呼んでいるけれども、とりわけ子ども向けというわけではない。ただでさえ分かりにくいウラノメトリアの構成だが、2αだけは2種類が存在してしまうことになる。いま考えている正式名称は次のとおり。

(既刊の楽譜) 「ウラノメトリア2α -楽典・テクニック収録版」(表紙はグレー)
(編集中の楽譜)「ウラノメトリア2α -追加エチュード収録版」 (表紙は薄青)

 絶対それがいいということはないけれど、グレーは指導者用、αのシリーズ・カラーである薄青は生徒用と考えていただいてよいと思う。ただし「楽典・テクニック収録版」には「音階のなりたち」や「ペリオーデ分析の方法論」「ロールンクの技術的解説」など、詳しく知りたい人には喉から手がでるような情報が収まっているので、一概に生徒に生徒用を勧めるのもいかがなものかとも思う。

 もう一度、ウラノメトリアαシリーズについて書くと、次のようになる。

 ウラノメトリアαシリーズは、未完に終わったショパンの「ピアノ奏法」の精神を受け継いで、「ショパンエチュード」に接続するためのピアノ・メソード(全6巻の予定)。
 習得すべきピアノ演奏技法を、音楽理解のための「ペリオーデ分析」と、基本テクニックである「ロールンク」「シュッテルンク」の2本の柱として学ぶ(念のために書くと、これらは少しも難しいことではない。小さな子どもでも適切な指導さえあれば、すぐに理解できる。逆に、これらなしでピアノを学ぶのは難しいのではないか)。
 ピアノ本来の美しい音色を守り抜くために、たとえ指練習であったとしても、現実の演奏では使わないようなタッチで弾くことはなく、かつ、ピアノとピアノ演奏者のために用意された曲だけでレッスンを行えるよう配慮されている。
 言い換えると、オーケストラスコアをピアノで弾けるように直した(コンデンスト・スコア)のような曲は排除して、指の機能と鍵盤の仕組みとの擦り合わせが充分なされた、ピアノのための曲(つまりピアニスティックな曲)で練習しなければピアノテクニックは学べないと言っても過言ではないだろう。
 ピアニスティックとテクニカルという言葉がしばしば混同されて使われるが、ピアニスティックであることと、難易度が高いことは必ずしも一致しない。ショパンドビュッシーの作品はピアニスティックの見本のようだ。
 第3巻の序文にも書いたが、ウラノメトリアには「子どもの興味を惹く」ために用意されたような曲はない。その代わり、子どもたちを音楽史上の大作曲家たちが到達した世界へ誘う第一歩となるようには配慮したつもりである。

 
 今夜は、2つの記事をリンク。

 最初に東日本大震災の一週間前に書かれた、いしだ壱成さんのブログ。
 今だからみんなで考えたいこと。

 国立天文台理論研究部教授で、天文学者の牧野淳一郎さんの覚え書き。その分かりやすさに感激することでしょう。
 福島原発の事故