5月16日(月)

150344

 多くのクラシック音楽ファンは、日本財団(の姉妹団体である日本音楽財団)がストラディバリウスとグァルネリを合わせた所有数が世界一(ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ合わせて20挺)であることを知っていることだろう。そして、それらが世界の優れた音楽家たちに無償で貸与されている。素晴らしいことだ。
 日本音楽財団
 今回ストラディバリウス・レディ・ブラント(0721年製)を売却して、東日本大震災の支援に充てることになった。日本音楽財団の手にあるからこそ優れた音楽家の手に渡ることを考えると少々もったいない気もするが、世界の篤志家がオークションで高額で落札してくれるのなら、それもよいのかも知れない。
 
 福島原発の終息の目処が立たないのに、青森県で建設中の東通原発の工事を続行するという。そそれより、一刻も早く発電会社と送電会社を分離して、消費者が電力会社(発電会社)を選べるようにすべきだろう。たとえ電力料金が安くとも「原発で作られた電力は買わない」というような選択肢と意思表示が可能になれば、再生可能エネルギーによる電力会社がやっていける素地が生まれることだろう。
 あるいは、小規模な発電会社(まさに個人事業主単位の)もやっていけるかも知れない。
 そうすれば、日本はエネルギー大国になる可能性がある。自然エネルギー潜在的総量は、日本が必要とする電力を遥かに超えるという主張がある。きっとそうなのだろうと思う。自然エネルギーによる発電所は小規模なものが主流となる代わりに、地産地消に近い形態となって送電ロスも減り、大規模な停電も起こりにくくなることだろう。
 節電対策が進み、少子化による人口減も相まって、近い将来、想像以上に必要電力が少なくなるということもあり得る。化石燃料原発がなくなれば、エネルギーの輸入も減少、または必要がなくなり、日本経済にとってはプラス材料だ。エネルギー関連の雇用も増えることだろう。
 たくさん作ってたくさんのゴミを出す時代も終焉を迎えることになるかも知れない。
 家具は先祖代々子々孫々受け継がれて長く使えるはずだ。その代わり高価でよい。優れた家具職人にはそれなりの対価を払うべきだ。楽器も、ピアノやヴァイオリンなどは100年を超えて使うことを前提に製作されるものがあってよい。そうすればピアノを常によい状態に保つことのできる技術者も育つに違いない。
 良い家具や楽器を使えば、人々も必ずや成長するはずだ。
 現代の工業製品は、玉石混淆だが、新品の時にはそれなりの見栄えなので、人々に選択眼が育ちにくい気がしてならない。その結果、“ゴミ”と知らずにゴミに囲まれて暮らしてしまうこともあるだろう。