5月19日(木)塔の上のラプンツェル

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 昨夜、就寝直前にダイニングテーブル上に“たろ”からのメッセージが。

「明日は9時前に出るからね」

 写真に撮っておけばよかったが、言うことをきかないと「ぶつからね」というメッセージが込められているような書体だった。もちろん、早起きした。
 5年前には6台あった自転車が、いつの間にか2台になってしまって、うち1台はカミさんが通勤に使っているので、わずか5km弱のユナイテッドシネマ浦和までクルマで行く事に。
 最終日であるにもかかわらず「塔の上のラプンツェル」(日本語吹き替え版)の初回上映は、imaxスクリーン340席にわずか8人。
 一言で表すならば「特筆すべき完成度の高さ」だろう。
 3D専用メガネをかける、キワモノっぽい映画だが、3Dがあまりにも自然なので昔から映画はこうだったのではないかと錯覚するほどだった。ディスニーランドの古典的3D作品「キャプテンIO」は立体視とはどういうものかを見せるためのものだったことが分かる。
 ストーリーとキャラクター設定、アート、アニメーション、演出などが非常に高いレベルでバランスしている。
 「リトルマーメイド」あたりから、ディズニーのキャラクター設定は通俗的な方向に向かい始めた。ディズニー存命中の作品としては「シンデレラ」を、ディズニー後の作品では「ファンタジア2000」を基準作品として観てしまうオールドファンとしては、最近のディズニー・アニメに辛口の批評をしてしまいがちなのだった。しかし「ラプンツェル」には、すっかりやられてしまった。完敗だ。
 日本のアニメーション関係者も「アニメの日本」が、ディズニーに大きくリードされてしまったことを感じたことだろう。これでまた、日本を含めて世界のアニメのレベルが上がるに違いない。
 “たろ”の指摘だが、FF(ファイナル・ファンタジー)などのゲームの世界観に影響を受けているのではないかと感じさせるシーンもあった。それは、当然なことかも知れない。アニメーションクリエイターなら、主だったゲームは体験していることだろう。逆に、ゲームクリエイターはディズニーやピクサーの影響を受けていたりすることだろう。
 人々で賑わう町のシーンは、ゲームのなかで出会う雰囲気だった。楽しそうに踊るラプンツェルを観ているだけで、目がウルウルしてきてしまう。灯をともした紙製のランプが空を舞うクライマックスの美しさは圧巻だった。美しさのあまり、心おきなく涙を流した。
 “たろ”の批評も書きたいところだが、それは彼女自身の作品に語らせることにしたい。
 
 正午ころに帰宅。昼食は興奮冷めやらず、食卓上を「ラプンツェル評」がびゅんびゅん飛び交った。食事後、時計を見ると午後2時前。
 “たろ”が「とむりん、2時45分の回に間に合うよ」。
 そうなのだ。2200円で我々は数時間前と別の人間になってしまうほど、いろいろな情報を得てしまった。しかも、情報量が多すぎてほんの一部しか把握していないにもかかわらずだ。2200円は高いけれど、実に安い。自動車税の納税がなんだ。地震保険の引き落としも今月ではないか。来月2日には車検と壁は高いが、この際、借金しても(カミさんを質に入れるというのはグッドアイディアだとおもうがどうか?)再度観る価値はある。
 今日がiMAX最終日ということが決断を後押しした。
 今度は長男の“風”を加えて、再びユナイテッドシネマ浦和へ向けて出発したのだった。

 ちなみに今日の夜、カミさんは映画「アジャストメント」の試写会へ行っていた(試写会なのでタダ)。
 帰宅後、家の中にラプンツェルの熱気がこもっていることを感じた彼女は「あたしもラプンツェルを観ないと家族とコミュニケーションがとれなくなりそうね」と言った。日曜日まで上映しているスクリーンがあるらしい。ひょっとしたらモリアキ翁以外の全員が、朝からラプンツェル漬けとなるかも知れない。

 お、そろそろETVスペシャル「ネットワ―クで作る放射能汚染地図」の再放送だ。ご覧になっていない方はぜひ。