7月24日(日)

176001


 日本の核事故だけではなく、ノルウェーの爆弾テロと不特定多数射殺事件(乱射という言葉には標的を定めずに引き金を引き続けるイメージがあるが、今回の事件は冷静に実行された印象がある)や、安全を軽視した結果のように思える中国高速鉄道事故(日本だって福知山線の大事故は記憶に新しい)、EUアメリカの通貨不安など、不安な材料ばかりが目につくようになってしまった。事故・事件の犠牲者の方々には心から冥福をお祈りします。
 そして日本は債務超過と経済の停滞、核事故の処理などを抱えて、衰退していく予感ばかりが先行する。
 こんな時に心を強く持つにはどうすればよいのだろうか。
 一から考え直せば、どこの国でも清浄な水源と農地があって、そこから飲み水と食料が得られれば命を脅かす根本的な不安だけはないことになる。スカイツリーをライトアップして繁華街のネオンサインを満艦飾に光らせなければ幸せではないということはないだろう。
 しかし、今や安全な食料を得るための農地が汚染されてしまった。水源だっていつまで安全か分からない。だから、日本は放射能の除染技術の研究・開発に全力を尽くすべきだ。それ自体が被災地の復興の最大の福音になる。故郷へ帰る日が早まるからにほかならない。
 事態は、たとえ徐々であっても良くなっていくという確証が得られれば、私たちは希望を持ち続けることができる。政治家は国民を子ども扱いして情報の隠蔽などしているヒマがあったら、何より希望を与えてほしい。情報の隠蔽や、実際の汚染を風評被害などと言い換えることによって国民の心に生じる疑心暗鬼を払拭するのは用意ではないことを政治家は理解しているのだろうか。
 
 今日の正午に地上波アナログ放送が終了した。その瞬間をカミさんと楽しみに眺めていると、民放のテレビ朝日は番組の途中でなんの前触れもなく、アナログ放送終了を知らせる画面に変わった。NHKは「今までご覧いただきありがとうございました」と区切りをつけてから終了画面に変わった(こちらは録画しておいた)。歴史的瞬間というほどのものでもないだろうが、それなりに感慨深い瞬間だったと思う。
 ところで、地デジ化完了とともにスクランブルをかけられるようになったのだから、NHKはWOWWOWなどと同じように希望者だけが受信できる有料放送に移行すべきだろう。NHKを観ない人から受信料を徴収するのは「押し売り」と全く同じだからだ。
 アナログ放送終了後、アナログチューナーしか搭載していない古いHDレコーダーに地デジチューナーを接続して、引き続き録画機として使えるようにした。D/A変換されてアナログ画質になるのかと思ったら、ずっと良い画質だった。
 
 夜はFMシンフォニーコンサートで久石譲さんの振るベートーヴェンの5番、7番を聴いた。オーソドックスで、しかも駆動力のある気持ちのよい演奏。熱演だった。

 
>またまた唐突だが、青空文庫から太宰治の「トカトントン」をリンク。太宰からの「気負わずに行きましょう」というメッセージにも思える作品。短いのであっという間に読めます。

太宰治「トカトントン」