7月25日(月)

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 中国の高速鉄道事故後の展開が、こちらの想像を大きく超えるものだった。事故車両を5台の重機で破壊して、そのまま現場に穴を掘って埋めてしまったのだ。
 それが動画として録画され、世界中に配信されているところに違和感がある。これでは隠蔽にならない。
 ノルウェーのブルントラント元首相が大量殺人事件後に語った言葉は「代表者」のものだったが、中国上層部の行動は「支配者」のものだろう。
 日本の現政権は中国に近いものがあり、自分たちは国民よりも優れていて国民を従わせることができると勘違いしているフシがある。核事故の避難区域を事実ではなく思惑で決めつけたところなどは、それを端的に表している。
 3.11後、日本は全く変わってしまったのだ。安全な地域とそうでない地域、安全な食品とそうでない食品の区別は曖昧で、何を信じてよいのかが分からない。閣僚たちにも分からないだろう。だからこそ、分かったフリをせずに、安全第一という姿勢を示すべきだった。
 福島県内から子どもたちと若い母親をひとりでも多く避難させ、汚染の可能性のある食品にはそれを示すマークを付け、40歳以上向けにのみ販売すべきだった。京都大学の小出助教が言うように、3.11以降、無汚染の食品だけでやっていける状況は、もうなくなった。そういう食品を引き受けてもよい、という人が買えるようにすれば、安全な食品を子どもたちにまわすことができただろう。私は放射能のない世界で50年以上生きてきたのだから、リスクを引き受けてもよいと考えている(リスクを引き受けるためには、子どもたちから食料や水を奪わないかぎり、安全な水などを使うようにしてマージンを作るというような努力をすべきだ)。
 今からでも遅くはない。政府は国民の安全のために働いているという姿勢を示してほしい。


>本文とは関係のない、ちょっといい話。

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