10月25日(火)

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 今日の午後は、くるるホールで11月19日(土)で行われる「野村茎一の世界」のリハーサル。
 開始時刻ぴったりに行ったので、坂本景子さんと「山道を行く」と「踊るエリナ」を連弾させていただいた。「山道を行く」は録音しそびれたが惜しかった。エリナの音源は下のリンクに。

ウラノメトリア2β_第11番_踊るエリナ プリモ:坂本景子 セコンド:野村茎一

 10月30日に、さいたま市のノースプラザで開かれるどなたかの発表会でも「踊るエリナ」が演奏されるという情報をいただいたのだけれど、M3 2011秋に参加するので聴きに行けなくて残念。
 
 今日のリハーサルは「ヴェルレーヌの詩による6つの小品」からスタート。プリモが田中順子さん、セコンドが坂本景子さん。お2人の演奏を聴くのは2度目。第1曲「恋人の国」は19歳の時に書いた「ピアノのための古風なアリア第2番」(未完)が下敷きになっている。今では書けないタイプの曲かも知れない。第2曲「恍惚」は12音ではないけれど12の全ての音が登場する。初演時から人気の高い曲。第3曲「パントマイム」は全曲がヘミオラで進む気持ちの良い曲。第4曲「秋の唄」は中毒性が高い。録音を聴き始めると何回でもリプレイしてしまって止まらなくなる。第5曲「カテドラルのように」は白鍵だけで演奏され、作曲技法的には「恍惚」の対極を為すが、聴いているとそういう印象は受けないと思う。ハ長調でもイ短調でも、既存の教会旋法でもない。アタッカでなだれ込む第6曲「木馬」は模範的な古典ソナタ形式による曲だけれど、得意の「部分動機による統一」感が薄いので、非野村茎一的なソナタといえるだろう。この曲がプログラムの最後に来るのは拍手をしやすいから(たぶん)。

 次は「フルートとピアノのための“2つのムード”」。
 有文子さん、第1楽章から魅力全開。「こんなにいい曲だったっけ?」と自分で書いたことも忘れて聴き惚れてしまった。これならコンサートでも“掴み”はバッチリ。客席全員が虜になってしまうこと請け合い。
 この曲の設定は場末のバー。安物のバーボンを飲みながらクダを巻いている売れないミュージシャンは今にも醉い潰れそうだ。
 第2楽章に入ると、隣にいたピアニストの田中順子さんがノリノリに。そう、第2楽章は凄いんだ。

 3番目は「バスーンとピアノのためのソナタ」。原曲は2本の管とピアノのための組曲。演奏がブラッシュアップされて、ひょっとしたら今回のコンサートの一番人気になるかも知れないと思った。リハーサルは第5楽章の「彼女は吠え、私たちは戯れる」から。松崎義一郎さん、アクセル全開。すごい難曲に聴こえるというか、このテンポなら本当に難曲。カッコいい。
 第4楽章の「水の上にて歌える」になったら、隣で聴いていた田中順子さんから「この曲弾きたいからピアノソロに書きなおしてください」という依頼が。や、や、やってみますけど、それはちょっと難しいかも。きわめて中毒性が高い曲だから順子さん、あっという間に「水の上」依存症に。実を言うと、有文子さんからも編曲依頼が・・・。
 第3楽章の「月の滴」は安心の老舗の味、という曲。とむりん本舗提供。第2楽章「王の墓碑銘」は田中順子さんが一番好きと言って下さった曲。そういう言葉を聴くと嬉しくて、今夜も眠れなくなってしまいそうだ。そして最後は、コンサートのタイトルにもなっている「夜の幸いならんために」。第1楽章がこの曲だというのは反則かも。唯一、フルートソナタとカブるところがある曲。そもそも、フルートソナタは、この楽章から発想されたものだ。
 この曲がファゴットバスーン界のスタンダードにならんことを。

 わ、もうこんな時刻に。トリオとフルートソナタは、また今度。

 ここでとっておきの情報。来年3月に「2台のピアノのためのソナタ(2010)」が初演されます。原曲は「4手のためのソナタ(2004)」。会場は「さいたま芸術劇場 音楽ホール」。もしもタイムマシンがあったら、今すぐ聴きに行きたい。いや、タイムマシンがあったら毎日聴きに行ってしまうに違いない。

 それより風呂だ風呂。


>覚えておくと便利そうなカラダに優しいスープのレシピ。ただし、写真のスープはレシピのものではなさそう。ココナッツミルクを入れたら白濁する。

病気のときに使えるカラダに優しいスープのレシピ