1月22日(日)

240155

 フランク・マルタンのミサ曲は透明だと感じる。黄色とはどういう色なのかと視覚情報を使わずに説明できないように、何を透明と言うのか尋ねられても言葉では答えらないが、透明としか喩えようがない。
 次に書く演奏家向けの曲は必ず透明感のある曲にしようと思っていたところ、今日ヒントとなるようなイメージが浮かんだ。ウラノメトリア1βも、このアイディアが生きればよいと願っている。

 久しぶりに「4手のためのソナタ」の音源が置いてあるMyspaceのページを開いたら、自分の曲を聴いた後に「ラジオモード」になって、全然知らない曲が大音量で流れてびっくりした。
 もうひとつびっくりしたことがある。それは私に似ているアーティストが表示される機能が追加されたことで、どういうわけかその先頭がスティーブ・ライヒだった。似ているとは思えないが、とても嬉しいできごとだ。と同時に、この機能は信用できないことも明らかになった。

 1957年に制作されたドキュメンタリー映画「世界は恐怖する 死の灰の正体」(1957年、1時間19分)を観た(というか観てしまった)。監督は亀井文夫。つらい映画だった。
 私が生まれた頃、すでに日本の土壌にも人々の身体にも核実験の生成物としてのストロンチウム90やセシウム137が蓄積されていた。放射能被害は新しくて古い問題だったのだ。広島の核爆発による放射線によって生まれた異形の胎児の画像には涙が出てしまった。つらいのに目をそむけることができず、結局、映画の最後までまんじりともせずにディスプレイを眺め続けてしまった。地球の未来はどうなるのだろうか。
 また眠れなくなってしまうかも知れない。PTSDになりかねないドキュメンタリーフィルムなのでリンクはしないけれど、たとえつらい思いをしても、未来への責任を背負いたいという方は検索して動画にたどりついていただきたい。